抄録
有機無機ハイブリッドは,有機成分と無機成分がナノメートルオーダーで分散した機能性材料であり,透明性を有していることから光学材料としての活用が期待されている。これら有機無機ハイブリッドの創成において,架橋構造の形成が不可欠であり,光架橋性ポリマーを用いることで迅速に達成できる。無機成分としてゾル-ゲル法によるシリカが一般的であり,光架橋反応による有機ポリマーとの同時2 元架橋反応によるハイブリッド化が有効である。例えば,多官能チオールとビニルシランカップリング剤とのエン-チオール反応を用いた光架橋反応とゾル-ゲル法による有機無機ハイブリッドを作製することができる。また,表面を化学修飾した金属酸化物ナノ粒子をポリマー中に分散した有機無機ハイブリッドは,ゾル-ゲル法を用いない簡便な方法である。例えば,メタクリル基で表面修飾したジルコニアナノ粒子は,多官能アクリレートとの光架橋で高屈折率ハイブリッドを容易に作製することができ,ジルコニアナノ粒子の含有量により屈折率を制御することが可能である。本稿では,光架橋反応を用いた有機無機ハイブリッドの最近の研究事例を紹介する。