ネットワークポリマー
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35 巻, 3 号
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報文
  • 岡本  真, 高橋  昭雄, 大山  俊幸
    2014 年35 巻3 号 p. 94-101
    発行日: 2014/05/10
    公開日: 2014/06/23
    ジャーナル フリー
    ビスマレイミドジフェニルメタン(BMI)と3,3’(メ- チレン-1,4- ジフェニレン)ビス(3,4- ジヒドロ-2H-1,3- ベンゾオキサジン)(P-d 型ベンゾオキサジン)及びビスフェノールA 型ジシアン酸エステル(BAD)の反応により,高耐熱性と低熱膨張係数及び高強度を併せ持つ樹脂硬化物を得た。加熱硬化によって得た樹脂硬化物のガラス転移温度(Tg),分解温度(Td),熱膨張係数(CTE)を,それぞれ動的粘弾性試験(DVA),熱重量分析(TGA),熱機械分析(TMA)によって調査した結果,BMI,P-d,BAD の混合系樹脂は全て250℃を超えるTg を示した。 また,以前の研究である当量比BMI:P-d=1.0:0.3 混合系と比べ,当量比BMI:P-d:BAD=1.0:0.3:2.0 混合系では120℃における粘度は36,000 mPa・s から23 mPa・s に大きく減少し,BMI+P-d 系での160℃から40℃低い120℃で溶融成形できるようになった。また,三元共重合系は熱膨張係数も50 ppm/K 以下となり,汎用エポキシ樹脂(65-70 ppm/K)と比較して低い値が得られた。三点曲げ試験により得られた曲げ強度は179 MPa を示した。示差走査熱量分析計(DSC)による解析結果からは,BMI,P-d,BAD 間における相互作用の可能性が示唆された。さらに,FT-IR スペクトルから未反応官能基の残存がなく,ポリマーを形成していることが確認された。
  • 瀬戸  良太, 松本  幸三, 遠藤  剛
    2014 年35 巻3 号 p. 102-109
    発行日: 2014/05/10
    公開日: 2014/06/23
    ジャーナル フリー
    2- イソチオシアナトエチルメタクリラート(ITEMA)と2- ヒドロキシエチルメタクリラート(HEMA)もしくはメタクリル酸(MAA)のラジカル共重合で得られるコポリマーpoly(ITEMA-co-HEMA)およびpoly (ITEMA-co-MAA)の架橋反応について検討した。poly(ITEMA-co-HEMA)をテトラヒドロフラン(THF)に溶解し,反応触媒として1,8- ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデ-7- セン(DBU)を加えると,室温で側鎖のイソチオシアナト基とヒドロキシ基が反応し,架橋が進行してネットワークポリマーが得られた。また,poly (ITEMA-co-HEMA)およびpoly(ITEMA-co-MAA)をホットプレート上で200℃に10 分間加熱すると,同様に側鎖同士の架橋反応が進行し,ネットワークポリマーが得られた。得られたネットワークポリマーのIR スペクトルから,コポリマー側鎖のイソチオシアナト基とヒドロキシ基もしくはカルボキシ基が反応してウレタン構造を介してネットワーク化が進行したことが確認できた。これらの結果から,側鎖にイソチオシアナートを含むコポリマーが潜在的な架橋能力を有する高分子であることが分かった。
  • 内藤  穂波, 奥平  浩之, 高橋  昭雄, 大山 俊幸
    2014 年35 巻3 号 p. 110-117
    発行日: 2014/05/10
    公開日: 2014/06/23
    ジャーナル フリー
    リグニン(L)にエポキシ基を導入したエポキシ化リグニン(EL)の熱硬化性エポキシ樹脂への適用を検討した。L 及びEL は軟化温度が高く,樹脂の加熱硬化時に溶融流動性が得られないことが課題として挙げられる。 そこで本研究では,EL 合成時の高分子量化を抑制し,エポキシ基をより多く導入するようにエポキシ化条件を最適化した。コニフェリルアルコール(CA)のエポキシ化をモデル反応として用いることにより合成条件を調査した。CA を相間移動触媒存在下,エピクロロヒドリンと反応させてクロロヒドリン化し,その後水酸化ナトリウム水溶液により閉環させる二段階法によりエポキシ化した。1H-NMR スペクトルにより生成物の構造を確認し,最適触媒の選定及び合成条件の適正化により合成条件を最適化した。次に,その条件をもとにリグニンをエポキシ化した。分子量の大幅な増加は確認されず,エポキシ基の導入により軟化温度を約40℃低減できた。最終的に,合成したEL をフェノールノボラック(PN)により硬化させた。硬化物のガラス転移温度(Tg)は155℃であり,石油由来エポキシ樹脂硬化物より10℃高かった。また,800℃における残渣は33%であり,難燃性を示すことが示唆された。
  • 小舩  美香, 小山  直之, 後藤  昭人, 菊地  郁子, 中村  優希
    2014 年35 巻3 号 p. 118-123
    発行日: 2014/05/10
    公開日: 2014/06/23
    ジャーナル フリー
    水蒸気爆砕法で得られるリグニン(以下爆砕リグニン)の熱硬化性材料への応用を検討した。爆砕リグニン/エポキシ樹脂及び爆砕リグニンを用いたフェノール樹脂を作製,評価した結果,石油由来フェノールノボラックを用いた樹脂に比べて,耐熱性,機械特性に優れていた。また,樹脂組成や充填材を最適化することで,成形材料の流動性を制御し,圧縮成形,トランスファー成形,射出成形による複雑形状品も成形可能であることを確認した。さらに,爆砕リグニンを用いたフェノール樹脂成形材料では石油由来フェノールノボラックを用いたときに比べて,銅やアルミに対する接着強度が向上した。
総説
  • 松川 公洋
    2014 年35 巻3 号 p. 124-130
    発行日: 2014/05/10
    公開日: 2014/06/23
    ジャーナル フリー
    有機無機ハイブリッドは,有機成分と無機成分がナノメートルオーダーで分散した機能性材料であり,透明性を有していることから光学材料としての活用が期待されている。これら有機無機ハイブリッドの創成において,架橋構造の形成が不可欠であり,光架橋性ポリマーを用いることで迅速に達成できる。無機成分としてゾル-ゲル法によるシリカが一般的であり,光架橋反応による有機ポリマーとの同時2 元架橋反応によるハイブリッド化が有効である。例えば,多官能チオールとビニルシランカップリング剤とのエン-チオール反応を用いた光架橋反応とゾル-ゲル法による有機無機ハイブリッドを作製することができる。また,表面を化学修飾した金属酸化物ナノ粒子をポリマー中に分散した有機無機ハイブリッドは,ゾル-ゲル法を用いない簡便な方法である。例えば,メタクリル基で表面修飾したジルコニアナノ粒子は,多官能アクリレートとの光架橋で高屈折率ハイブリッドを容易に作製することができ,ジルコニアナノ粒子の含有量により屈折率を制御することが可能である。本稿では,光架橋反応を用いた有機無機ハイブリッドの最近の研究事例を紹介する。
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