抄録
PF6-を対アニオンとするパラ置換ベンゾイル基をもつスルホニウム塩類を合成し,それらによるエポキシドの架橋反応挙動を検討した。エポキシドの重合速度における置換基効果はNO(4-NBPBS2・PF6)>H(4-HBPBS・ PF6)>CH3O(4-MOBPBS・PF6)≈CH3(4-MBPBS・PF6)の順であった。さらに分子軌道計算による2 中心エネルギーと置換基定数(ハメット定数)との相関性が認められ,分子設計における妥当性が示唆された。NO2 基をもつものは,硬化物に着色性が認められたが,4- ベンゾイルオキシフェニルベンジルメチルスルホニウムヘキサフルオロホスファート(4-HBPBS・PF6)では,硬化物が透明性に優れ,SbF6-を対アニオンとするスルホニウム塩(4-HPBS・SbF6)と同等な重合性能をもつことから,電子材料等の応用に有用であることが分かった。