ネットワークポリマー
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36 巻, 4 号
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報文
  • 米川  盛生, 遠藤  剛
    2015 年36 巻4 号 p. 160-167
    発行日: 2015/07/10
    公開日: 2015/08/12
    ジャーナル フリー
    5 員環環状カーボナートと6 員環環状カーボナート部位を有するカーボナートモノマーの選択的アニオン開環重合によって,側鎖に5 員環環状カーボナート構造を持つポリカーボナートが得られた。得られたポリマーとモノアミン類との反応では,5 員環カーボナートとアミンの付加反応により,側鎖にヒドロキシウレタン部位を有するポリカーボナートが主として得られた。これらのモデル反応を参考に,poly65CC とヘキサメチレンジアミンの反応では側鎖の5 員環カーボナート部位とアミノ基が反応し,ヒドロキシウレタン結合を介してネットワークポリマーが得られた。得られたネットワークポリカーボナートはジアザビシクロウンデセン(DBU)存在下,希釈条件下で主鎖部位の解重合反応が進行し,5 員環カーボナート構造と6 員環カーボナート構造を併せ持つ原料モノマー65CC が再生された。
  • ─置換基効果と分子軌道計算による考察
    板本  吉弘, 河岡  良明, 高下  勝滋, 遠藤  剛
    2015 年36 巻4 号 p. 168-175
    発行日: 2015/07/10
    公開日: 2015/08/12
    ジャーナル フリー
    PF6を対アニオンとするパラ置換ベンゾイル基をもつスルホニウム塩類を合成し,それらによるエポキシドの架橋反応挙動を検討した。エポキシドの重合速度における置換基効果はNO(4-NBPBS2・PF6)>H(4-HBPBS・ PF6)>CH3O(4-MOBPBS・PF6)CH3(4-MBPBS・PF6)の順であった。さらに分子軌道計算による2 中心エネルギーと置換基定数(ハメット定数)との相関性が認められ,分子設計における妥当性が示唆された。NO2 基をもつものは,硬化物に着色性が認められたが,4- ベンゾイルオキシフェニルベンジルメチルスルホニウムヘキサフルオロホスファート(4-HBPBS・PF6)では,硬化物が透明性に優れ,SbF6を対アニオンとするスルホニウム塩(4-HPBS・SbF6)と同等な重合性能をもつことから,電子材料等の応用に有用であることが分かった。
  • 吉田  新, 石田  大, 須藤  篤
    2015 年36 巻4 号 p. 176-185
    発行日: 2015/07/10
    公開日: 2015/08/12
    ジャーナル フリー
    スピロ環状骨格を有する高分子は一般的に剛直な棒状構造を有しているため,高強度・高耐熱性材料としての利用が期待できる。また,側鎖への反応性基の導入にもとづく架橋反応が可能になれば,さらなる高性能化が期待できる。本研究では,天然の環状多価アルコールであるmyo- イノシトールを出発原料として用い,側鎖にアリル基をもつポリスピロケタールを合成した。さらに,得られたポリスピロケタールの側鎖のアリル基とチオールのラジカル付加反応を検討し,これをもとに種々のジチオールとの反応によるネットワークポリマーの合成を検討した。
  • 佐藤  絵理子, 上原  聖泉, 西山  聖, 堀邊  英夫
    2015 年36 巻4 号 p. 186-191
    発行日: 2015/07/10
    公開日: 2015/08/12
    ジャーナル フリー
    付加開裂連鎖移動剤である2-(ブロモメチル)アクリル酸メチル存在下,エチレングリコールジメタクリレートのラジカル単独重合で得られる多官能ハイパーブランチポリマーは,複数のペンダントビニル基およびω-末端ビニル基を有し,無触媒下で熱硬化し高い熱安定性を示す。本研究では,安定ニトロキシドラジカル存在下でラジカル反応を行うと,炭素中心ラジカルが拡散律速に近い速度で捕捉されることに注目し,多官能ハイパーブランチポリマーの硬化反応の解析への応用を検討した。安定ニトロキシドラジカルである4- ヒドロキシ-2,2,6,6- テトラメチルピペリジン1- オキシルベンゾエート(4-HTB)存在下,多官能ハイパーブランチポリマーを加熱すると4-HTB と結合した可溶な生成物が得られたことから,熱硬化がラジカル機構で進行することを確認した。 1H NMR によるポリマーの構造解析から,α- 末端のBr-CH2 結合およびω- 末端のビニル基に隣接するC-C 結合は結合解離エネルギーが小さいもののラジカル生成に対する寄与は小さく,主にビニル基の自発重合により熱硬化が進行することを明らかにした。
  • 布重  純, 梶原  ゆり, 村木  孝仁
    2015 年36 巻4 号 p. 192-198
    発行日: 2015/07/10
    公開日: 2015/08/12
    ジャーナル フリー
    アルキルボラン開始剤は,酸素雰囲気下でラジカル開裂が生じ,かつドーマント種を伴ってリビング的にラジカル重合が進行する。本稿では,アルキルボラン開始剤のドーマント形成に着目し,樹脂硬化物の修復機能の付与および修復挙動について検討した。樹脂硬化物を破断後,モノマーを塗布した破断面同士を密着させて加熱処理ところ,破断面同士の再接着(修復)が生じた。これは,破断面に存在するアルキルボラン由来のドーマント種と,破断表面に拡散したモノマーとの反応(再重合)により起こったものと考えられる。また,修復処理後の樹脂硬化物は,修復前と同等の引張り強度,熱特性を示し,樹脂硬化物としての性能も同様に修復した。熱硬化性樹脂の修復機能付与により,樹脂硬化物の長寿命化,新しい材料設計につながる研究として,広範な分野での応用が期待される。
総説
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