ネットワークポリマー
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炭素繊維強化アクリル樹脂複合材料のイオン架橋
桑城 志帆中尾 臨松田 聡岸  肇
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2017 年 38 巻 3 号 p. 114-121

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抄録

炭素繊維強化熱可塑性複合材料(CFRTP)は軽量・高強度で加熱による二次成形も可能であるため,自動車の構造材料に期待されている。しかし,熱可塑性樹脂は炭素繊維に対する接着性が低いため,CFRTP は炭素繊維/エポキシと比較して強度が低い。著者らはこれまで繊維とマトリックスとの界面接着性を向上させ,高強度の炭素繊維/アクリル複合材料の作製を行ってきた。アクリル樹脂はネットワーク構造を有するエポキシ樹脂と比べて耐溶剤性に乏しいため,適用範囲が限定されている。そこで,高強度と耐溶剤性を兼備する炭素繊維強化熱可塑性アクリル複合材を創成することを研究目的とした。具体的にはイオン結合による擬似架橋の導入を検討した。アクリルマトリックスへのイオン架橋の導入により,アクリル樹脂の弾性率および耐溶剤性は著しく向上した。次いで,このイオン架橋アクリル樹脂をマトリックスとするCFRTP の引張りせん断接着試験および曲げ試験を行った。イオン架橋を有するアクリル樹脂は,未改質CF / PMMA と比較して炭素繊維との接着性が良好で,曲げ強度が高かった。また,このイオン架橋アクリルCFRTP は加熱による二次成形性も兼備していた。

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© 2017 合成樹脂工業協会
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