抄録
種々のビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂の合成を行い, フェノールノボラックを硬化剤として得られる硬化物の物性を評価した。その結果, 4, 4′-ジヒドロキシビフェニルのエポキシ化物が2, 2'-体に比べ高い破壊靭性を示した。一方, 4, 4′-体硬化物は, 動的粘弾性測定においてガラス状態での低い貯蔵弾性率を示し, さらに小さい密度を有していた。これらの結果は, 4, 4′-ビフェニル置換体のような剛直な主鎖を有するエポキシ樹脂の硬化物が, 分子鎖のパッキング阻害により大きな自由体積を有していることを示している。4, 4′-体硬化物の高い破壊靭性は, 自由体積の増加によるクラック先端での塑性変形に由来するものと考えられる。