ネットワークポリマー
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紙フェノール樹脂廃棄物の熱分解液のノボラックエポキシ樹脂化
島村 哲朗北川 和男中野 達明
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2000 年 21 巻 2 号 p. 70-76

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抄録
紙フェノール樹脂積層板廃棄物を600℃で加熱処理し, 得られた熱分解液からノボラック型エポキシ樹脂の合成を行い, 種々の硬化剤による硬化物の物性を検討した。熱分解液の主成分はフェノール, メチルフェノール, ジメチルフェノール等のフェノール誘導体であり, その他に基材である紙の分解物と考えられる長鎖脂肪酸メチルエステルや長鎖脂肪酸等が含有していた。まず, 熱分解液のノボラック化反応を行い, フェノールを50wt%添加して合成した熱分解液のノボラックは, フェノール核数が10程度であったが, これらの一部にはフェノールと反応していないメチロール基が残存していた。次に, ノボラックのエポキシ化反応を行い, フェノールを50wt%添加して合成したノボラック型エポキシ樹脂の硬化物は, フェノールを添加しないエポキシ樹脂に比較してTg, 高温弾性率, 曲げ強度は大きく向上した。また, 硬化剤に無水メチルナジック酸を用いた硬化物では市販のエポキシ樹脂とほぼ同等の曲げ強度, 曲げ弾性率および剥離接着強度を示した。
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