ネットワークポリマー
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21 巻, 2 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 三田 文雄, 吉田 清子, 遠藤 剛
    2000 年21 巻2 号 p. 57-61
    発行日: 2000年
    公開日: 2012/08/20
    ジャーナル フリー
    スピロオルトエステル (SOE) 基を有するメタクリル酸エステルのラジカル重合, メタクリル酸メチルとのラジカル共重合を行い, 側鎖にSOE基を有するポリマーを合成した。このポリマーのクロロベンゼン溶液に, カチオン重合開始剤を加え0℃で1時間撹拌すると, SOE基の単開環による架橋体が生成した。得られた架橋体をクロロベンゼンに分散させ, カチオン重合開始剤を加え20℃で24時間撹拌すると, 溶媒可溶の元のポリマーが回収された。
  • 松本 明博, 木村 肇, 長谷川 喜一, 大塚 恵子, 福田 明徳
    2000 年21 巻2 号 p. 62-69
    発行日: 2000年
    公開日: 2012/08/20
    ジャーナル フリー
    フェノール樹脂を強靭化し, 耐水性および電気絶縁性をさらに向上させるための手段として, フェノール核間結合距離を長くし, フェノール性水酸基濃度を低下させる方法が考えられる。そこで, 10-ウンデセニルアルデヒド (UA) でフェノール樹脂を変性した。まず, 酸性条件下, フェノールとUAを種々のモル比で反応させ, フェノール核間へのUAユニットの導入を試みた。その結果, p-トルエンスルホン酸触媒下, 高温で反応させることにより, UAの二重結合およびカルボニル基がフェノール核に付加したオリゴマー (UA変性フェノール) が得られた。次に, 酸性条件下, フェノール中でUA変性フェノールをホルムアルデヒドと反応させることにより, フェノールにUAおよびホルムアルデヒドが付加共縮合した構造の, 一般的なフェノール-ホルムアルデヒドノボラックよりも平均分子量が大きなノボラック型中間体 (UA変性ノボラック) が得られた。硬化剤としてヘキサメチレンテトラミンを用いて調製した成形材料の成形温度における流動性を検討した結果, UA変性ノボラックIおよびII (UAとフェノールの仕込み比 : 0.1/1および0.2/1) -ヘキサメチレンテトラミン系の成形材料は一般的なフェノールノボラック-ヘキサメチレンテトラミン系の成形材料よりも優れていた。また, 成形材料の硬化挙動を検討した結果, UA変性ノボラックおよびUA変性フェノールとも, 一般的なフェノールノボラックとほぼ同等の温度で硬化反応が進行し, 硬化物が得られることがわかった。硬化物物性を検討した結果, UA変性ノボラックIおよびIIの硬化物は一般的なフェノール樹脂硬化物と比べて, 靭性, 電気絶縁性および耐水性にバランス良く優れていた。また, 高分子量のUA変性ノボラックI-2を用いることにより耐熱性も向上した。
  • 島村 哲朗, 北川 和男, 中野 達明
    2000 年21 巻2 号 p. 70-76
    発行日: 2000年
    公開日: 2012/08/20
    ジャーナル フリー
    紙フェノール樹脂積層板廃棄物を600℃で加熱処理し, 得られた熱分解液からノボラック型エポキシ樹脂の合成を行い, 種々の硬化剤による硬化物の物性を検討した。熱分解液の主成分はフェノール, メチルフェノール, ジメチルフェノール等のフェノール誘導体であり, その他に基材である紙の分解物と考えられる長鎖脂肪酸メチルエステルや長鎖脂肪酸等が含有していた。まず, 熱分解液のノボラック化反応を行い, フェノールを50wt%添加して合成した熱分解液のノボラックは, フェノール核数が10程度であったが, これらの一部にはフェノールと反応していないメチロール基が残存していた。次に, ノボラックのエポキシ化反応を行い, フェノールを50wt%添加して合成したノボラック型エポキシ樹脂の硬化物は, フェノールを添加しないエポキシ樹脂に比較してTg, 高温弾性率, 曲げ強度は大きく向上した。また, 硬化剤に無水メチルナジック酸を用いた硬化物では市販のエポキシ樹脂とほぼ同等の曲げ強度, 曲げ弾性率および剥離接着強度を示した。
  • 川手 恒一郎
    2000 年21 巻2 号 p. 77-83
    発行日: 2000年
    公開日: 2012/08/20
    ジャーナル フリー
    5-30μmの熱硬化性薄膜フィルムによる接着信頼性に対する種々の実験を行なった。このような薄膜接着では, 接着力および耐熱性は膜厚に強く依存するために, 熱圧着時のフィルム接着剤の流れ制御がきわめて重要な問題であることがわかった。一方で流れを押さえすぎると, 接着に必要な濡れが不完全になり, 接着力が低下したり, 凹凸のある面を埋めることができなくなる。したがって熱硬化性薄膜フィルムでの接着信頼性を確保するためには, 熱硬化前の接着剤の粘弾性特性を制御することが必要である。一方, 熱硬化後の接着剤の粘弾性特性は, 耐熱性等のよい指標になり, 特に硬化物のtanδの値が半田耐熱と良い相関をもつことが見出された。
  • 合成, ミクロ構造, 材料物性
    原口 和敏
    2000 年21 巻2 号 p. 84-96
    発行日: 2000年
    公開日: 2012/08/20
    ジャーナル フリー
    従来, 異質な材料と見られていた有機と無機材料, この相異なる性質を有する成分をナノスケールで構造制御して得られる有機/無機ハイブリッドが, 新しい複合材料として注目を浴びている1) 。ここでは金属酸化物および層状粘土鉱物を無機成分とする有機/無機ハイブリッドについて, 合成から物性, 応用までを展望する。マトリックス成分種によるハイブリッド分類と共に, 無機原料およびハイブリッド合成法についてまとめた。また得られたハイブリッドのモルフォロジーと特性について最近の話題も含め詳述し, 最後に応用可能性について概説する。
  • 三田 達, J. Kahovec, P. Kratochvil, A. D.Jenkins, I. Mita, I. M. Papisov, ...
    2000 年21 巻2 号 p. 97-105
    発行日: 2000年
    公開日: 2012/08/20
    ジャーナル フリー
    非線状高分子および高分子集合体に対する原料基礎命名法を提案する。線状規則性 (単条および複条) 高分子および不規則性高分子に対する原料基礎および構造基礎名はすでに発表された規則を用いて作ることが出来る。これに対し本勧告は非線状高分子及び高分子集合体の原料・基礎名を取り扱うものである。非線状高分子には, 分岐, グラフト, 櫛型, 星型, 環状, および網目高分子などがあり, 高分子集合体には, ポリマーブレンド, 相互侵入網目, 高分子間錯体などがある。非線状高分子の名前は, 構成線状分子鎖の原料基礎名と, その分子鎖の組み合わせ方式を示す接頭辞および接続辞とから作られる。分子量, 組成, 高分子やその成分中の分岐点の官能性, についての指定値は, 括弧に入れて示すことができる。
  • 賀 〓皓
    2000 年21 巻2 号 p. 108
    発行日: 2000年
    公開日: 2012/08/20
    ジャーナル フリー
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