抄録
ボタン製造時に排出される不飽和ポリエステル樹脂廃棄物のケミカルリサイクルを検討した。廃棄樹脂を粉砕し、酸、塩基、エステル交換触媒を用いグリコールで分解した。分解速度は酸、エステル交換触媒より塩基触媒の方が大きかった。不飽和ポリエステル樹脂廃棄物はグリコール中、290℃、2時間で84.6%分解し、分解物の分子量はMn=156、Mw/Mn=1.06であった。200℃の分解ではフタル酸グリコールエステルが得られた。スチレン-フマレート共重合体の架橋部分は230℃以上の温度で分解した。スチレン/無水マレイン酸 (75/25) 共重合体もグリコールで同様に分解した。分解物と無水マレイン酸を反応させて、Mn=846, Mw=7,468の不飽和ポリエステルが得られた。再生樹脂の曲げ強度は77.8MPa (市販品 : 92.1MPa) であった。