ネットワークポリマー
Online ISSN : 2186-537X
Print ISSN : 1342-0577
ISSN-L : 1342-0577
フタル酸アリルエステル誘導体を用いたジアリルフタレート樹脂の改質
大塚 恵子松本 明博木村 肇
著者情報
ジャーナル フリー

2003 年 24 巻 2 号 p. 90-96

詳細
抄録

ジアリルフタレート樹脂は金属との接着性に劣るために, その改善が望まれている。本研究では, ジアリルフタレート樹脂の接着性改善を目的として, ジアリルフタレート樹脂構造中に金属との濡れ性に寄与する水酸基を導入した。水酸基を導入するための手段として, 系内に水酸基を有するジアリルフタレート樹脂改質材の開発を行った。まず, フタル酸モノアリルエステルとエポキシ化合物を反応させることにより, アリル基と水酸基を系内に有するフタル酸アリルエステル誘導体を合成した。これをジアリルフタレート樹脂の改質材として用いた。フタル酸アリルエステル誘導体の配合により引張りせん断接着強さは, ジアリルフタレート樹脂と比較して最大約2.5倍の値にまで向上した。また, ジアリルフタレート樹脂が本来持っている優れた電気・機械特性を維持することができた。一方, 耐熱性・耐水性は, フタル酸アリルエステル誘導体の配合量の増加とともに低下した。

著者関連情報
© 合成樹脂工業協会
次の記事
feedback
Top