抄録
有機-無機ハイブリッド材料は, 無機化学に由来するゾル-ゲル法と有機化学に由来する有機金属化学の融合から生まれた新しい材料である。有機材料と無機材料とで互いに欠けているものを補い, より優れた材料にすることを開発目的としているが, 新しい構造・性能を持つ材料設計の検討もここ数年で顕著に増加している。そのなかでもケイ素系有機-無機ハイブリッド材料は, 有機高分子に近い分子設計・合成が可能となった。例えばカゴ形構造を持つ水素化ポリシルセスキオキサン (T8と略記) を有機化合物と共重合させることによりT8ジインという耐熱性・機械特性・誘電率に優れたポリマーが見出された。ケイ素以外の無機成分においても, 生成物の微粒子化や自己組織化などの反応制御に関する研究が行われてきている。例えばインジウムチタンオキシド (ITOと略記) の微粒子と可溶性ポリピロールとの複合化による透明導電性フィルム作成の可能性が見出されている。