日本語教育
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寄稿論文
学会誌50年の記録
学会誌委員会編集担当委員
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2012 年 153 巻 p. 71-80

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抄録

 本稿では,学会誌の50年を5期に分けて振り返り,その変遷について整理した。

 まず,創刊から1972年までの10年間は「日本語教育」という学問を模索した時期と言える。第2期(~1988年ごろ)は,「教育」自体に焦点を当てた研究が多く取り上げられ,「日本語」分野でも現場から出発した具体的な研究が増えた。第3期(~1997年ごろ)には,「心理」や「社会」分野の研究が出始め,「教育」分野の研究は,実践研究が増えた一方,枠組み自体も広がりを見せた。第4期には,更に,関連周辺領域とも結びつき,急速に学際化が進んだ。2004年ごろから現在に至る第5期には,「教育」の研究に,単に問題点の発見に留まらない質の高さが追求されるようになった。また,日本語教育が複合的な領域をまたぐ研究を必要とすることもますます明らかになってきた。今後の研究は,この深化と学際化,双方の面から取り組んでいく必要があると言えよう。

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© 2012 公益社団法人 日本語教育学会
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