日本語教育
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研究ノート
談話理解の視点から見た話題開始のための談話標識の分類
田中 奈緒美
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2018 年 170 巻 p. 130-137

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抄録

 本稿は,日本語会話において,話題転換時の新規話題導入発話の冒頭で用いられる「話題開始のための談話標識」を,聞き手の談話理解の手がかりとして分類することを目的とし,「BTSJによる日本語話し言葉コーパス」に収録された日本語母語話者による初対面雑談会話 (47会話,計13時間40分) で観察された当該表現について,聞き手が汲み取る情報の種類により分類した。その結果,観察された表現は,「①談話間の連接関係に対する話し手の認識」,「②談話内容に対する話し手の態度」,「③話し手の心的操作」の大きく3つに,さらに①と②は,「① a前後の談話の論理関係」「① b後続発話の導入理由」,及び「② a先行発話内容に対する態度」「② b後続発話内容に対する態度」のそれぞれ2つに分類することができた。

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© 2018 公益社団法人 日本語教育学会
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