日本社会では少子高齢化により労働者人口が減少する中,若年者の職業的・社会的自立を促すインターンシップへの参加者数が著しく拡大してきている。大学在籍中の就職活動前に行う企業でのビジネス実践は,日本人学生のみならず,グローバル人材としての活躍が期待される外国人留学生のキャリア形成に大きな影響を与えるはずだ。質的転換を志向する大学教育にとっても,インターンシップはアクティブ・ラーニングの重要な一方法となる。
本稿では,「キャリア」を生涯発達の視座から捉え,まず,政府・民間企業などによる調査結果を基にインターンシップ全般について概説する。また,留学生の事例を取り上げて,ビジネスの現場と多様な他者との関わりの中でことばや文化を学び,将来の自分の生き方を探求する実態を明らかにする。