人間ドック (Ningen Dock)
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原著
当院における人間ドック受診者に提供する食事の工夫 ~保健指導の資料として活用しうるメニュー提供の試み~
菊川 麻由美小島 真二脇本 敏裕伊地知 久美子石川 奈美関 明彦河原 和枝藤井 昌史
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2009 年 24 巻 1 号 p. 84-89

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抄録

目的:人間ドック受診者に対して食事を提供している施設は多い.また,生活習慣病対策としての栄養指導では,調理実習やバイキング形式の食事を提供することによって,実際に食べることから学ぶといった手法を取り入れた事例報告もみられる.当院では,人間ドック受診後に提供する食事を保健指導の資料として活用することを検討してきた.そこで私たちは,院内のレストランとの協力によって保健指導に活用しうる健康を意識したメニューすなわち“健康食”の考案を試みた.
方法:健康食としての定義を決定したうえで,健康診断センターとレストランのスタッフが頻繁に議論し,昼食用3種類,夕食用1種類の“健康食”を試作した.
結果:人間ドック受診者へのアンケート調査では,これまでの食事の満足度は,「満足」「やや満足」と回答したものが40.5%であったが,新メニューでは62.5%と向上した.この健康食を用いた栄養指導では,食事のバランス,塩分,味つけ,エネルギーの点で食生活の改善のために参考になったとの評価が得られた.
結論:レストランのメニューとして健康食を提供することで,受診者へのサービスを向上させるだけでなく,保健指導を効果的に行うための資料として活用できると考えられた.

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© 2009 公益社団法人 日本人間ドック学会
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