抄録
目的:子宮頸がん検診受診者のうち,経腟超音波断層診断法(以下,経腟超音波法)により無症状閉経者の子宮内膜厚を測定し,子宮内膜厚異常者から,子宮体がんをはじめとしたどのような子宮内膜疾患が見つかるかを明らかにする.
方法:経腟超音波法を希望した無症状閉経後の子宮頸がん検診受診者4,794人を対象とし,子宮内膜厚5mmないしそれ以上のもの37人を二次検診の対象とした.二次検診法は経腟超音波法再検,子宮内膜細胞診,子宮内膜組織診,ヒステロスコピー,MRI,血中エストロゲン測定など担当医の判断で実施した.
結果:二次検診結果の判明した30人は,子宮体がん1人,子宮内膜増殖症1人,子宮内膜ポリープ3人,子宮筋腫により子宮内膜肥厚と判断されたもの2人,子宮留水腫1人のほか,子宮内膜細胞診異常なし15人,子宮内膜組織診異常なし7人であった.また,閉経後婦人に本法を受け入れてもらえるか否か,任意・無記名アンケートによる調査を行った結果,その受容性は良好であった.
結論:子宮頸がん検診に併用した経腟超音波法による子宮内膜厚測定は子宮体がんをはじめ,子宮内膜増殖症,子宮内膜ポリープ,子宮留水腫,子宮粘膜下筋腫など,各種疾患発見への端緒となるため臨床的に有用と判断された.