人間ドック (Ningen Dock)
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原著
ビデオ映像を用いた保健指導技術の客観的評価
武藤 繁貴村本 あき子加藤 公則中村 正和津下 一代
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2016 年 31 巻 3 号 p. 453-461

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抄録
目的:保健指導場面のビデオ映像を用い,保健指導者の保健指導技術を客観的に評価する.また,自己評価との相関を明らかにする.
方法:聖隷保健事業部および新潟県労働衛生医学協会の保健指導者37名が,模擬受診者に対し特定保健指導を行い,これをビデオ撮影した.この映像をもとに外部評価者3名が,特定健診・保健指導制度のしくみや実施方法,困難事例への対応,食事・身体活動・禁煙・節酒に関する29項目からなる調査票を用いて保健指導技術を評価した.各項目は技術を4段階(1が最も低く,4が最も高い)にスコア化し,平均値を求めた.また,同調査票を用いて自己評価を行い,他者評価との相関を求めた.
結果:他者評価で最も高スコアだった項目は「対象者のアセスメントがきる」で,平均値(標準偏差)は3.48(0.26)だった.次いで,「何から改善するか対象者とともに考えることができる」の設問で3.46(0.34)だった.自己評価で最も好スコアだったのは「目的とスケジュール」の項目で,次いで「食行動目標と減量効果」だった.自己評価と他者評価の関連では,運動に関する項目で有意な相関が認められた.
結論:「対象者のアセスメントがきる」や「何から改善するか対象者とともに考えることができる」といった項目は,アセスメント技術やカウンセリング的要素を取り入れた技術やコーチングの手法に関する技術であり,これらが比較的よく習得されていることが客観的に明らかとなった.
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© 2016 公益社団法人 日本人間ドック学会
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