抄録
症例は43歳,男性.2008年11月の健診で肝機能異常を指摘されたため,2次検査を行った.腹部エコーで脂肪肝と胆嚢体部に5×4mmの高エコーな有茎性ポリープを認めた.コレステロールポリープと診断し,12ヵ月ごとの経過観察を行った.ポリープの大きさは2012年まで変化を認めなかったが,2013年11月に7×4mmとわずかに増大した.2014年11月に9×6mmとさらに増大したため腹部CTを行ったところ,胆嚢体部に石灰化を伴うポリープを認めた.半年後の腹部エコーで胆嚢内に大きさ6mm大の移動性のある結石像を認めた.また,以前に認めたポリープの付着部位には2~3mmの小ポリープを認めた.胆嚢ポリープが石灰化することは極めてまれであり,さらに,その一部が脱落して結石が形成されたと考えられる症例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する.