人間ドック (Ningen Dock)
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総説
膵がんの早期診断と人間ドック超音波検査
田中 幸子
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2019 年 33 巻 5 号 p. 668-674

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抄録

 膵がんは最近,罹患数増加に伴い死亡者数が増加し注目を集めています.早期に診断されることが少なく,5年生存率は10%未満と予後の非常に悪いがんです.早期診断のためには,無症状ないしわずかな症状の時期に,軽度の異常所見を拾い上げること,そして膵がんの可能性の高い病変を的確に精査に持ち込むことが必要です.人間ドック受診を膵がんの早期診断に効果的に結び付けるためには,非侵襲的な腹部超音波検査の精度向上が有用と考えられます.そのための方策として,精査超音波検査,診断装置の整備,検査担当者の教育,腹部超音波健診判定マニュアルの採用,外部評価受検などが大切です.

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© 2019 公益社団法人 日本人間ドック学会
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