2019 年 33 巻 5 号 p. 675-682
人間ドックは,身体の状態を多角的に検査し,異常所見に対して保健指導を行い,必要に応じて精密検査や治療を勧奨する総合的な健診診断である.特定臓器がんによる死亡率低下に特化したがん検診や,メタボリックシンドロームに着目した特定健康診査・特定保健指導では体重・腹囲減少の観点から評価されている.しかし,人間ドックでは検査対象が広範囲であるがゆえにその有用性が評価されにくい.そこで,いくつかの評価視点から健診・検診・人間ドックの意義・有用性についての報告を紹介し,特に近年,健康評価の指標として注目され,死亡率や健康寿命に強く影響を及ぼす主観的健康感の観点から,人間ドックの意義・有用性について概説した.国民健康基礎調査の統計結果と著しく異なる人間ドック受診者での特徴は,主観的健康感が良好で,高齢になっても保たれることである.加えて,人間ドックの長期継続受診により,良好な健康感が維持されることが特筆される.