2022 年 37 巻 4 号 p. 699-707
目的:循環器健診車の各種換気条件における換気回数を調査し,適切な換気方法を提言することができるか検討した.
方法:健診車内をドライアイスにより濃度の高いCO2ガスで満たし,①各窓開け5cm,②前部換気扇「弱」・後部換気扇「弱」,③前部換気扇「強」・後部換気扇「弱」,④前部換気扇「弱」・後部換気扇「弱」に加え各窓開け5cm,⑤前部換気扇「強」・後部換気扇「弱」に加え各窓開け5cmの5つの条件下で換気を行い,CO2ガスの濃度変化からザイデルの式を用いて換気回数を求めた.
結果:5つの換気条件のうち3つ(①④⑤)で米国疾病対策予防センター(Centers for Disease Control and Prevention: CDC)および,日本の感染隔離病棟における毎時12回以上の換気回数を達成でき,中でも換気扇と窓開けを併用した条件(④⑤)では毎時20回以上の換気回数を記録できた.
結論:条件(①④⑤)であれば換気回数は十分であり,また換気扇の騒音による弊害も少ないことから条件④は健診車の換気方法として推奨できる.