人間ドック (Ningen Dock)
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臨床経験(活動報告)
特定保健指導当日実施率向上に向けた取り組み
小平 美穂子濵 夏子柳原 園子
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2022 年 37 巻 4 号 p. 708-714

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抄録

目的:特定保健指導当日実施率(以下,実施率)向上に向け,PDCAサイクルに基づいた業務改善のプロセスを経年で振り返り,業務改善の効果と課題を検討する.

方法:2017~2020年度の実施率を算出した.実施率向上を目的とした業務改善の経過を年度ごとにまとめた.また,2019~2020年度の当日特定保健指導の未実施理由を保健指導記録から拾い出し分類した.

結果:2017年度実施数73人/年,実施率8%,2018年度実施数158人/年,実施率21%,2019年度実施数384人/年,実施率49%,2020年度実施数483人/年,実施率54%と実施率が確実に向上した.2019年度の未実施理由は,施設側の理由となる,「対象者漏れ」「スタッフ都合」「階層化に時間がかかった」が,全理由のうち,約40%を占めていた.施設側の理由に視点を当て,業務改善を行った結果,2020年度の未実施理由のうち,施設側の理由は約7%まで減少した.

結論:PDCAサイクルに沿った業務改善・体制作りを継続し,対象者を焦点にした取り組み,ストラクチャーの強化,未実施理由の調査,システムの利用,マンパワーの増大を行うことで実施率向上につながった可能性が示唆された.

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© 2022 公益社団法人 日本人間ドック学会
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