西日本皮膚科
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シンポジウム―接触皮膚炎―
接触皮膚炎—病因論—
血球および透過性因子をめぐつて
地土井 襄璽
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1969 年 31 巻 3 号 p. 247-254

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抄録
Cyclophosphamideをモルモット腹腔内に,10mg 5日間授与し,その白血球数の変動をみたところ,投与後7日目では1000/ml前後にまで低下し,13日目にはほぼ回復した。また,リンパ節は5日目には芽中心およびリンパ球の著明な減少がみられたが,15日日には回復していた。感作と同時に,あるいは感作6日目にCyclophosphamideを5日間投与した例では,皮膚炎の発現はほとんどみられなかつたが,感作を投与直後におこなつたものでは,著明な皮膚炎の発現をみた。血管透過性からみた炎症の消長は大体6時間目より始まり,10∼20時間に最盛期をもつ,ゆるやかな経過を示した。DNCB炎症皮膚からのペプタイド性と思われた透過性因子の抽出を行ない,これをin vivoで調べたところ,ニンヒドリン反応が強く現われた部分と大体同じところに存在していることが知られた。
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© 1969 日本皮膚科学会西部支部
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