西日本皮膚科
Online ISSN : 1880-4047
Print ISSN : 0386-9784
ISSN-L : 0386-9784
31 巻, 3 号
選択された号の論文の14件中1~14を表示しています
図説
綜説
シンポジウム―接触皮膚炎―
  • 谷奥 喜平
    1969 年 31 巻 3 号 p. 237-239
    発行日: 1969/06/01
    公開日: 2012/03/26
    ジャーナル 認証あり
  • 藤田 慎一
    1969 年 31 巻 3 号 p. 240-246
    発行日: 1969/06/01
    公開日: 2012/03/26
    ジャーナル 認証あり
    白色雑種海〓の右鼠径部に3% 1-chloro-2,4-dinitrobenzeneエタノール溶液を初日8滴からはじめて1日1滴ずつ増量し,最終日に15滴を滴下して感作を行ない,これら海〓について経時的に両側鼠径部リンパ節を採取して重量,核酸量,組織学的変化を検討した。重量は経時的に著明に増加し13日を最高として以後減少した。核酸量もほぼこれと同一の増減を呈したが, 4∼8日目にかけて一時的にRNA-Pの増加率を上廻る時期があつた。この時期,組織学的には,大ピロニン好性細胞の増加がみられた。5日目および15日目前後のリンパ節を用いて受動転嫁を行なつたが,両者間に反応強度,陽性度について有意の差はみられなかつた。
  • 血球および透過性因子をめぐつて
    地土井 襄璽
    1969 年 31 巻 3 号 p. 247-254
    発行日: 1969/06/01
    公開日: 2012/03/26
    ジャーナル 認証あり
    Cyclophosphamideをモルモット腹腔内に,10mg 5日間授与し,その白血球数の変動をみたところ,投与後7日目では1000/ml前後にまで低下し,13日目にはほぼ回復した。また,リンパ節は5日目には芽中心およびリンパ球の著明な減少がみられたが,15日日には回復していた。感作と同時に,あるいは感作6日目にCyclophosphamideを5日間投与した例では,皮膚炎の発現はほとんどみられなかつたが,感作を投与直後におこなつたものでは,著明な皮膚炎の発現をみた。血管透過性からみた炎症の消長は大体6時間目より始まり,10∼20時間に最盛期をもつ,ゆるやかな経過を示した。DNCB炎症皮膚からのペプタイド性と思われた透過性因子の抽出を行ない,これをin vivoで調べたところ,ニンヒドリン反応が強く現われた部分と大体同じところに存在していることが知られた。
  • —線溶系を中心として—
    田代 正昭, 児浦 純生, 猿渡 邦彦
    1969 年 31 巻 3 号 p. 255-263
    発行日: 1969/06/01
    公開日: 2012/03/26
    ジャーナル 認証あり
    接触皮膚炎患者の線溶系を検討し,線溶系各要素の活性化を認めた。線溶系の活性化に伴なつて抗プラスミンの増加が認められた。線溶系の亢進は滲出著明な皮疹を有するものに多く,また原因別によつても亢進に差が認められた。また臨床症状が軽快しても,線溶系はなお高値を示すものが多い。家兎,海〓における実験的皮膚炎においても,線溶系各要素の亢進を認め,クロトン油皮膚炎,DNCB皮膚炎とも同様の傾向を認めた。また皮膚炎惹起部の組織アクチベーターの活性化を認めた。
  • (起炎物質と有機化合物概念図)
    藤木 達士
    1969 年 31 巻 3 号 p. 264-278
    発行日: 1969/06/01
    公開日: 2012/03/26
    ジャーナル 認証あり
    日常遭遇する接触性皮膚炎の起炎物質は,有機化合物を主体とする。それらの起炎物質の化学構造とその作用機序の関係について,画一的な法則は未だ明らかでないが,両者の間に相当な関連性のあることも否定できない事実である。筆者は合理的な有機化合物の分類法として,藤田穆博士の有機化合物概念図の応用を試み,すでに構造の明らかな多数の起炎物質をlocateしたところ,光線感受性域,発癌性域,細胞組織変性域,有機活性城,無機活性域,両性兼有域,感作限界線が設定された。ついでDifolatan dermatitisの起炎物質を有機概念図上にlocateし,細胞組織変性域,光線感受性域,感作限界線内に存在することを認めたが,これは,接触性皮膚炎,光毒性日光皮膚炎,光アレルギー性日光皮膚炎の3つのタイプを有する臨床所見とよく一致した。このような興味ある結果から,未確認の起炎物質の構造を知る上に,また逆に疑わしい起炎物質の臨床像の推定に,それぞれ応用できることを考察した。
症例
研究
  • 田浦 直
    1969 年 31 巻 3 号 p. 296-314
    発行日: 1969/06/01
    公開日: 2012/03/26
    ジャーナル 認証あり
    単極ガラス電極を使用し,正常皮膚表面のpHを測定,統計的考察を加え,つぎのごとき結果をえた。
    1)正常皮膚pHは男性4.87,女性5.05で,女性は10才台後半から男性では50才を境に高くなる。部位別には前腕より上腕,屈側より伸側が高く,女性では前額部で高いものが多かつた。また,冬は高く,夏は低く,春と夏,秋と冬を境にして大きな変動がみられた。
    2)新生児は出生直後高値であるが,4日目前後に著明な低下をみる。鼠径部では日数による変動が少なく,高い値を維持した。新生児のpHは胎脂,羊水の吸収,分解に影響され,鼠径部では尿による汚染とも関係あると考えた。
    3)第4趾間は第1趾間よりはるかに高く,また白癬の既往のあるものに高い値が多かつたので,趾間白癬の発生と関係あるものと推察した。
    4)陰嚢も鼠径より高く,pH7.0以上を有する例もみられ,変動幅も大きかつた。これは陰嚢の有する特異な解剖学的条件に由来するものと考えたい。
    5)女性では月経期間中にpH値の低下を示し,その変動期間も安定していた。
治験
feedback
Top