西日本皮膚科
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研究
掌蹠膿疱症の電顕的,免疫組織学的研究
加藤 迪彦
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1973 年 35 巻 3 号 p. 292-313

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抄録
掌蹠膿疱症は,今日なお本態が不明でなかなか治癒せしめがたい疾患である。この研究の目的は本症皮疹の特徴である膿疱30個を対象として,膿疱内および膿疱壁の細胞の状態の電顕的観察と膿疱内細胞の主体を占める白血球の病態とをデキストリン鉄を用いて,そのとりこみを電顕的観察し,I131γグロブリンのとりこみを測定した。γグロブリンの白血球内での存在については螢光抗体法を用いてその証明を試みた。結果は,膿疱壁の表皮細胞に種々の角化がみられ,デスモゾームの開離,細胞器管の変化と消失が認められた。また核内には封入体の存在がみられた。膿疱内の白血球は正常のものから崩壊した細胞までの種々の段階があり,細胞質内にびまん性γ-グロブリンの存在が認められ,I131γ-グロブリンのとりこみがみられた。これが単なるγ-グロブリンなのか,抗原抗体複合物であるかは不明である。
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© 1973 日本皮膚科学会西部支部
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