西日本皮膚科
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ラウンドテーブル ディスカッション—炎症における細胞反応とその役割—
リンパ球活性化の機構
吉永 秀中村 修二樋口 安典
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1974 年 36 巻 4 号 p. 481-487

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抄録
胸腺細胞, 末梢リンパ組織のリンパ球は植物mitogen, PHAによつて刺激される場合に, 炎症滲出細胞の少量を加えると強く活性化され, DNA合成の増強を認める。このことは炎症滲出液中におけるリンパ球の活性が末梢リンパ組織のそれよりも高いことを説明するひとつの機構と考えられる。この炎症滲出細胞によるリンパ球活性化への協力作用は炎症刺激後48~96時間の細胞を含まない滲出液によつても達成され, また純化したmacrophageをin vitroで刺激することによつても培養上清中に遊離するので, 少なくとも一部はmacrophageによつて産生されることが明らかである。このようなリンパ球活性化のmacrophage依存性はlymphotoxin産生を示標にしても認められる。一方, B cellにたいしては, LPSによつて刺激した場合の脾細胞DNA合成がT cellの存在下においてのみmacrophageによつて抑制されるので, macrophageのB cell抑制作用はT cell機能を通じた間接的なものと考えられる。
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© 1974 日本皮膚科学会西部支部
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