西日本皮膚科
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研究
パンテチンの臨床効果と実験的研究
—血中アンモニア値におよぼす影響を中心に—
高橋 智津子山本 忠利武田 克之
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1978 年 40 巻 5 号 p. 910-915

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抄録

パンテチン投与の血中アンモニア値におよぼす影響を追求し, あわせて皮膚疾患患者にたいする治療効果を検討した。健常人にNH4Clを負荷し, パンテチンを経静脈投与し60分後の血中アンモニア値と比較すると, 投与群が非投与群に比して低下したものが多い。また患者にパンテチン400mg, 800mgを経静脈投与すると30分, 60分後に血中アンモニア値の低下する症例が多いが投与量による差はなかつた。一般にパンテチン投与による治療には内服が好ましく, 経静脈投与では持続点滴静注が良い。また皮膚疾患患者にパンテチンを内服させると有効以上56.0%の治効をおさめ, 中毒疹, 薬疹, 湿疹·皮膚炎群, 急性蕁麻疹などの治効がめだつた。さらに副腎摘出ラットのNH4Cl負荷にたいしてパンテチンが血中アンモニア値を低下させることも実証した。

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© 1978 日本皮膚科学会西部支部
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