西日本皮膚科
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治療
皮膚真菌症に対するKetoconazole内服療法の検討
渡辺 晋一下妻 道郎久木田 淳滝沢 清宏
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1983 年 45 巻 5 号 p. 883-889

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抄録

昭和55年から57年の間に東大病院皮膚科真菌専門外来を受診した患者のうち, 直接鏡検により菌要素を証明し得た22名(年令: 3∼79才, 性別: 男15, 女7)に対しketoconazole (KCZ)の内服療法を行い, 本剤の安全性と有用性を検討した。対象疾患の内訳は足白癬6例, 爪白癬9例, 体部白癬4例, ケルスス禿瘡3例, 白癬性毛瘡1例, 爪カンジダ症6例, 手掌·足蹠の角質増殖型皮膚カンジダ症2例, カンジダ性間擦疹1例, カンジダ性指間糜爛症1例, 慢性皮膚粘膜カンジダ症(CMCC)1例であつた。KCZの投与方法は成人では1日200mg, 小児では1日100mg内服を原則とした。結果は白癬に対してはM. canisによるケルスス禿瘡の1例と浸軟の強い趾間の足白癬の1例以外の症例では, ほぼgriseofulvinと同程度の臨床効果を持つようであつた。カンジダ症に対しては, 間擦疹, 指間糜爛症では外用剤と同程度の効果がみられ, また今まで有効な治療法のなかつた爪カンジダ症, 手掌·足蹠の角質増殖型皮膚カンジダ症, CMCCでは大部分の症例を治癒させることができた。副作用は口渇1例, そう痒1例, 肝機能異常4例が認められたが, いずれもKCZ投与中止あるいは100mgに減量することにより消失した。このうちKCZ再投与により肝機能異常の再現ができたもの1例で, できなかつたもの2例であつた。以上よりKCZは肝機能の充分なチェックのもとに投与さえすれば, 種々の皮膚真菌症に対し有用な薬剤と考えられた。

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© 1983 日本皮膚科学会西部支部
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