西日本皮膚科
Online ISSN : 1880-4047
Print ISSN : 0386-9784
ISSN-L : 0386-9784
研究
汗器官腫瘍の研究(第2報)
—Carcinoembryonic Antigenの検討—
久本 和夫
著者情報
ジャーナル フリー

1984 年 46 巻 Suppl 号 p. 180-183

詳細
抄録

汗器官腫瘍20例とともにPaget病を含む関連ないし対照疾患12例, 計32例および正常皮膚組織2例を対照としてcarcinoembryonic antigen(CEA)の分布をperoxidase antiperoxidase(PAP)法によつて検索した。エクリン汗器官腫瘍では, 主に管腔壁に, またアポクリン汗器官腫瘍では, 管腔とは無関係と思われる細胞にCEAが陽性であつた。Paget病では, Paget細胞の分布に一致してCEA陽性であつた。以上よりCEAの検索は, 汗器官腫瘍のエクリン系あるいはアポクリン系の決定をはじめPaget細胞の同定を行うに際しての一手段として有用であると思われた。

著者関連情報
© 1984 日本皮膚科学会西部支部
前の記事 次の記事
feedback
Top