西日本皮膚科
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治療
KH-101軟膏(リフラップ軟膏)の皮膚潰瘍に対する治療効果の検討
—Well-Controlled Comparative Study—
KH-101研究班
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ジャーナル 認証あり

1985 年 47 巻 2 号 p. 321-330

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抄録
皮膚潰瘍に対するKH-101軟膏(塩化リゾチーム5%含有)の有用性を明らかにする目的で, KH-101軟膏基剤(プラセボ), ベンダザック軟膏を対照としてwell-controlled comparative studyで三群臨床比較試験を実施し以下の成績を得た。
1) 試験実施症例数は180例であつたが, 除外が4例(脱落3例, 対象外1例)あり, 解析対象例は176例であつた。その内訳は, KH-101 58例, ベンダザック60例, プラセボ58例であつた。統計処理の結果, 患者の背景には偏りがなかつた。
2) KH-101の細菌に対する溶菌作用は臨床試験において確認できなかつた。
3) 副作用の発生はKH-101 1例(1.7%), ベンダザック3例(5.0%), プラセボ1例(1.7%)であつたが, 特記すべき副作用はなかつた。
4) 変動のあつた臨床検査値を分析した結果, とくに薬剤との関係は見出せなかつた。
5) 有用度において, KH-101はプラセボに比べ有意に優れていた。ベンダザックとプラセボとの差を検出することはできなかつた。しかしKH-101とベンダザックの間には有意差はなかつた。
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© 1985 日本皮膚科学会西部支部
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