1988 年 50 巻 2 号 p. 212-214
47才女子。初診3年前から顔貌の変化と著明な倦怠感が出てきた。ほぼ同じ頃から, 全身および頸部が黒つぽくなり, 生まれた時からあつた母斑細胞母斑の周囲が脱色してきた。その後, 成長ホルモン産生下垂体腫瘍と診断され, 下垂体前葉摘出術を受けた。術後, 色素沈着と黒色表皮腫は軽快してきたが, サットン母斑に大きな変化はない。末端肥大症, 色素沈着および黒色表皮腫は成長ホルモンに関係して発症したものと考えられる。しかし, サットン母斑が同時に発症したという報告はいまだなく, その因果関係については不明である。