1990 年 52 巻 1 号 p. 60-64
部分的に扁平上皮分化を示した汗器管癌を2例経験した。症例1はeccrine poromaから悪性変化したと思われるeccrine porocarcinomaで, 腫瘍辺縁部が扁平上皮癌に類似していた。症例2はeccrine ductal carcinomaと診断したが, 頸部リンパ節の転移病巣は扁平上皮様細胞から成り, 中心部が角化, 壊死化した嚢腫構造を呈していた。汗器管系腫瘍では, 扁平上皮巣の存在は, その悪性所見の1つとして重要と考えた。