抄録
45歳男子。初診1年前頃から右頬部の大豆大硬結が出現した。病変は中央部が陥凹し, 黒色隆起性で境界がやや不明瞭であった。基底細胞上皮腫または粉瘤の臨床診断下に摘除された。病理組織学的には外界と交通した上皮成分よりなる嚢腫であり, 内容物として多数の毛幹断面と角質が認められた。また嚢腫壁に接続する複数個の毛包がみられた。本症例はMehreganら(1982)により最初に報告されたpigmented follicular cystの所見に一致するものと思われ, 又本症の発症要因として外傷の可能性が考えられる。