西日本皮膚科
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症例
心気神経症を背景として生じた陰茎の潰瘍
亀山 孝一郎森田 美佳子三井 良樹
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1992 年 54 巻 1 号 p. 33-36

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抄録

39歳, 男子。1989年3月に亀頭部に疼痛が出現した。2ヵ月後に全身倦怠感, 肘膝などの関節痛が出現した。某大学病院など数ヵ所を受診し, 膠原病, ベーチェット病などを疑われ, 入院精査されたが原因不明であった。その後陰茎に紅斑が出現し, 徐々に潰瘍化したという。1990年, 7月に陰茎の潰瘍を主訴とし当科受診した。初診時, 亀頭部に不整形の潰瘍を認めた。生検を含め精査するも, 原因不明であった。亀頭部の異常なしびれ感などを訴え続けたため, 精神的背景の問題も考慮し, その後も皮膚科外来にて精神科医と共に定期的に診察していたところ, 瞬間液体冷却スプレーを持参し, これを亀頭部に長時間使用したことを白状した。以上より異常体感を伴う心気神経症と診断した。

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© 1992 日本皮膚科学会西部支部
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