西日本皮膚科
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症例
再発をくりかえすB群らい
並里 まさ子
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1995 年 57 巻 3 号 p. 499-502

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抄録

再発をくりかえすB群らいの67歳の女性例を報告した。初診時, BBらいの臨床像を示していた。長期にわたる臨床, 治療経過を検討した結果, 光田反応の陰性化に続いて, DDS単剤治療の有効性が低下していることが認められた。増菌負荷による免疫力の低下と, low gradeのDDS耐性菌の出現が相互に関与した結果, 遷延する臨床症状と菌指数の上昇を来したものと推察した。DDS(100mg/日), rifampicin(600mg, 月2回)の2剤投与を開始して2.5ヵ月後, 皮疹の増強と左第1指の運動障害を認めたが, 短期間のprednisolone投与にて軽快した。病理組織学的検討にてup-gradingを伴うリバーサル反応(境界反応)と考えた。さらにofloxacinを追加投与した。初診時より5ヵ月後, 全般に皮疹の消退傾向は明らかであるが, 生検部位とその近傍では, 時に発赤と浸潤性の増強がみられる。

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© 1995 日本皮膚科学会西部支部
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