西日本皮膚科
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症例
慢性肝炎患者にみられたAcquired Port-Wine Stain
松永 若利木藤 正人
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1996 年 58 巻 1 号 p. 40-43

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抄録
54歳の男性に生じたacquired port-wine stainを報告した。5年前に前額部に持続性紅斑が出現し, 最近その中央部が結節状に隆起してきた。初診時, 前額部の病変の他に, 肩や前胸部にくも状血管腫が認められ, 両上肢外側に紙幣状皮膚も認められた。HCV抗体陽性で, 内科的に慢性C型肝炎と診断された。レーザードップラー血流計による血流測定では, 前額部の病変と前胸部のクモ状血管腫はほぼ同じ血流波型を呈した。病理組織学的には真皮の浅い層では拡張した毛細血管が存在し, 病変部の中央部には肥大した動静脈吻合血管が存在していた。前額部の持続性紅斑はクモ状血管腫や紙幣状皮膚と同じく, 慢性肝疾患に起因するacquired port-wine stain(肥大型)と診断した。
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© 1996 日本皮膚科学会西部支部
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