西日本皮膚科
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症例
乾癬の経過中に好酸球性膿疱性毛嚢炎がみられた1例
白崎 文朗山岸 雄二大槻 典男
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1997 年 59 巻 1 号 p. 12-14

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抄録
乾癬の経過中に好酸球性膿疱性毛嚢炎(EPF)がみられた1例を報告した。症例は33歳の男性。10年来の乾癬の経過中, 顔面, 背部に膿疱を伴った局面が, 掌蹠に紅斑性角化局面と膿疱が出現した。病理組織像では毛包内に好酸球·好中球からなる多房性膿瘍を, 末梢血ではEPF発症前には認められなかった好酸球増多が認められた。インドメサシン1日50mgを投与後, EPFの皮疹は急速に消退し少数の膿疱が周期的に新生する程度に改善した。一方, 乾癬の典型的皮疹はインドメサシンに反応しなかった。従って自験例では乾癬にEPFが合併した症例と考えた。このような症例の報告は調べ得た限りではみられなかった。
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© 1997 日本皮膚科学会西部支部
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