西日本皮膚科
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症例
浸透性木材保護着色染料使用後に発症した毛孔性紅色粃糠疹
山本 淳子園田 忠重藤原 作平高安 進
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1997 年 59 巻 1 号 p. 7-11

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抄録

65歳の男性の浸透性木材保護着色染料(商品名キシラデコール®)を使用後に発症した毛孔性紅色粃糠疹の1例を報告した。2日間キシラデコール®を使用し, その翌日日光曝露, その翌日より漸次顔面, 足蹠, 膝蓋に灼熱感および紅色皮疹が出現し手掌足蹠に角質増殖が著明となった。毛孔性紅色粃糠疹と診断しトレチノイントコフェリル(オルセノン®)軟膏, 1%エトレチナート(チガソン®)軟膏外用, エトレチナート内服療法を試みた。その経過中両下肢の腫脹が出現し抗生剤, 消炎剤の投与, アズノール®軟膏ガーゼ処置により腫脹は軽減, 一方躯幹の皮疹は白色ワセリン外用にて消退した。またHTLV-1抗体陽性であったが検査上免疫不全を示唆する所見は得られなかった。

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© 1997 日本皮膚科学会西部支部
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