西日本皮膚科
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症例
食道小細胞癌に合併した紅皮症
田尻 美保山元 修末永 義則旭 正一
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1999 年 61 巻 4 号 p. 426-429

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抄録
67歳の男性。初診の約1年前から両下腿に貨幣状湿疹様の皮疹が出現した。近医にて加療されたが難治のため, 昭和63年10月17日当科を紹介され受診した。外来でステロイド内服, 外用などの治療をしていたが, 2年後に紅皮症状態となり平成3年1月7日当科入院となった。入院時, 胃部不快感を訴えたため上部消化管造影を施行し, 食道小細胞癌が発見された。体部CTにて肝転移が認められたため外科的治療の適応はないと考え, 化学療法·放射線療法を施行し, 一時的に紅皮症の軽快が見られた。治療の継続のため転院したが, イレウスとDICを併発し, 転院の1ヵ月後に死亡した。食道小細胞癌は稀な癌であり, 紅皮症の合併も非常に稀であると思われた。
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© 1999 日本皮膚科学会西部支部
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