西日本皮膚科
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症例
足底の角化腫からみつかった脊髄係留症候群の2例
土井 和子今福 信一柴田 智子田代 あかり古江 増隆
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2010 年 72 巻 2 号 p. 141-144

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抄録

足底に繰り返す角化性の腫瘤と足の変形を呈した2症例。症例1は64歳の女性。右第5趾基部に繰り返す角化性の腫瘤と第5趾の変位を主訴に受診した。また腰部右側に小児手拳大の軟らかいドーム状の腫瘤がみられた。症例2は82歳の女性。右第5趾基部に角化性の腫瘤がみられ,中央は自壊し穿孔性潰瘍を形成していた。また右足部から下腿にかけて発赤,腫脹,熱感を伴っていた。両症例ともに腫瘤に加えて下肢の知覚鈍麻がみられた。神経学的異常が疑われ,X線検査,MRI検査で,係留脊髄がみられ,下肢の症状はそれに伴う知覚鈍麻が原因と考えられた。足の慢性の潰瘍・外傷性の病変は,神経学的な異常についての精査が必要と考えられた。

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© 2010 日本皮膚科学会西部支部
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