整形外科と災害外科
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骨・平滑筋肉腫の治療経験
富田 雅人熊谷 謙治林 徳眞吉進藤 裕幸
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2008 年 57 巻 1 号 p. 78-83

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抄録
稀な腫瘍である骨に発生した平滑筋肉腫(LMS)5例を経験したので,その治療成績を報告する.症例は49~84歳,平均年齢66歳.男性1例,女性4例であった.罹患部位は大腿骨遠位3例,脛骨近位1例,腓骨遠位1例であり,膝周囲が5例中4例と多かった.初回手術後の経過観察期間は5ヵ月~9年7ヶ月,平均3年11ヶ月であった.初回生検にてLMSと診断された症例は2例のみで,その他骨巨細胞腫と診断された症例2例,診断確定出来なかった症例1例であった.初回生検でLMSと診断された2症例(大腿切断1例,広範切除+足関節固定術1例)は術後再発・転移ともにみとめていないが,初回生検で診断出来なかった症例は3例で局所再発を,2例で骨転移を,1例で肺転移をみとめた.短期経過観察であるが,広範切除以上で局所のコントロールは良かった.生検にて正しくLMSと診断することが治療成績の向上には必要であると考えた.
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© 2008 西日本整形・災害外科学会
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