河川技術論文集
Online ISSN : 2436-6714
模型大型堤防における降雨時の水収支解析に基づく堤体内の水の貯留及び流出過程の検討
白石 芳樹竹村 吉晴後藤 岳久福岡 捷二
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2025 年 31 巻 p. 241-246

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抄録

不飽和層を有する堤防への降雨の浸透は,降雨強度や降雨分布によって堤体内部の水分分布が影響を受ける.堤防に降った雨と堤防からの流出量と堤体内の飽和度等の計測値の時間変化が観測できれば,不飽和流れの水理解析法を用いることで,降った雨がいつ,どこに,どのような量が存在しているかを示す水収支分布が得られ,降雨の浸透や堤体内部の水分分布の推定が可能と考える.本研究では,模型大型堤防を用いた降雨実験結果をもとに,境界適合型水理解析モデルを開発し,水収支分布を再現することで堤体内の水の貯留及び流出過程を検証し,今後の堤体における水収支解析の有効性を示した.その結果,新たな指標Rimaxhmchcmaxを実験結果の水収支分布図を再現するように設定し,解析の流出量と堤体内の水分分布が実験値と同様の傾向を示し,他の降雨実験でも概ね再現できることがわかった.

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