整形外科と災害外科
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圧迫骨折に伴う遅発性脊髄麻痺に対するTR法とTPVPによる低侵襲手術の経験
福田 泰子菅 尚義宮崎 昌利吉田 省二三原 茂
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2010 年 59 巻 3 号 p. 644-648

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抄録

高齢者の圧迫骨折による遅発性脊髄麻痺に対して,固定術を行わない低侵襲手術を行った症例に関して検討した.円筒形レトラクター(TR)を用いた顕微鏡下手術による除圧(以下TRLP)と,圧迫骨折に対してセラミックアパタイト顆粒による経皮的,経椎弓根的椎体形成術(以下TPVP)の併用手術を行った.症例は9例(男3例,女6例),年齢は65歳の男1例を除いて平均年齢80歳(75~87歳)であった.骨折レベルはT11,L1,4,5が各1例,L2が2例,T12が3例であった.手術時間と出血量はそれぞれTRLPが137分,23 g,TPVPが61分,6 gであった.臨床症状は術前全例立位不能,歩行困難であったが,術後独歩ないし杖歩行可能となった.高齢者の圧迫骨折に伴う遅発麻痺に対して,除圧と椎体形成術の併用により,固定することなく良好な結果を得た.

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© 2010 西日本整形・災害外科学会
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