整形外科と災害外科
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経皮的椎体形成術後再手術を要した1例
冨田 伸次郎浦川 伸弘菅 政和
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2010 年 59 巻 3 号 p. 649-652

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抄録

はじめに:経皮的椎体形成術(以下PVP)においては,少数ながらも再骨折,隣接椎体骨折等の有害事象の報告がある.我々は,PVP施行後の再手術を必要とした症例を経験したので報告する.症例:71歳,女性.第1腰椎圧迫骨折.2007年4月自宅で転倒して受傷.臥床安静下でも疼痛強度であり5月L1PVP施行.術後硬性コルセット装着下にてリハビリを行う.2008年に入り徐々に歩行困難感が出現したため,PVP後の脊髄障害にて2008年12月T12-L1ASF+PF施行.現在Picker歩行可能なレベルで自宅復帰している.考察:本症例のごとくPVP施行後椎体圧潰が進行し,脊髄障害に至った理由には,肥満,コルセットの管理,術前の後壁損傷が考えられる.PVPの術後成績を向上させるためには早期に骨折部の安定化維持を獲得できるマテリアルや手術療法および後療法の変更を検討することが必要である.

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© 2010 西日本整形・災害外科学会
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