整形外科と災害外科
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当科における脊髄髄膜腫の長期術後成績
―再発例の検討―
寺原 幹雄井尻 幸成善明 美千久山王 朋佳永吉 隆作山元 拓哉米 和徳小宮 節郎
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キーワード: 脊髄髄膜腫, 硬膜処置, 再発
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2010 年 59 巻 3 号 p. 653-655

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抄録

今回当科における脊髄髄膜腫の手術症例をretrospectiveに調査し,再発症例について検討したので報告する.1988年から2008年までの21年間で,当科にて手術を施行した脊髄腫瘍203例中,病理学的に髄膜腫と診断されたのは38例(18.7%)であり,今回追跡調査可能であった34例(調査率89.5%)を対象とした.女性27例,男性7例で,手術時平均年齢は58歳(23-82歳)であり,術後経過観察期間は12~249ヵ月(平均99.8ヵ月)であった.再発は4例(11%)に認めたが,腫瘍の発生高位,腫瘍の局在,病理組織型,硬膜処置法と腫瘍の再発に有意な関連は認めなかった.再発例は全て硬膜残存例であった.硬膜の切除が困難な腫瘍前方局在例への対処が課題と考えられた.

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© 2010 西日本整形・災害外科学会
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