整形外科と災害外科
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上位頚椎発生脊髄腫瘍の手術成績と治療上の問題点
河村 一郎井尻 幸成山元 拓哉善明 美千久永吉 隆作寺原 幹雄坂本 光山王 朋佳米 和徳小宮 節郎
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2010 年 59 巻 3 号 p. 656-658

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抄録

上位頚椎は砂時計腫の好発部位であり,脊髄腫瘍は上位頚椎レベルに比較的多く発生が認められる.当院で行った上位頚椎発生脊髄腫瘍の治療成績をretrospectiveに検討した.1988年から2009年までに当科で手術した脊髄腫瘍203例中,C1/2レベルでの発生例14例を対象とした.臨床成績は良好であったが,術後小脳出血を1例認めた.またC2椎弓温存した群に対し,C2椎弓切除群で術後後彎変形を呈する傾向にあった.C2の棘突起温存は術後後彎変形を防止するために考慮すべきである.また周術期合併症も頻度は低いものの重篤なものがあり,特に脳出血に関しては多量の脳脊髄液損失が原因の可能性も示唆されているため,術後頭部CT撮影等周術期には厳重な管理が必要と考えられる.

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© 2010 西日本整形・災害外科学会
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