整形外科と災害外科
Online ISSN : 1349-4333
Print ISSN : 0037-1033
ISSN-L : 0037-1033
腰部脊柱管内嚢腫様病変の治療経験
中原 潤之輔赤崎 幸二相良 孝昭福本 巧時吉 聡介渡邉 弘之上原 悠輔木村 真
著者情報
ジャーナル フリー

2010 年 59 巻 3 号 p. 665-669

詳細
抄録

当科にて2007年以降に手術的治療を行った腰椎脊柱管内嚢腫性病変5例を検討した.症例は男性4例,女性1例,手術時平均年齢62.2歳(37から80歳).全例に強い下肢痛と筋力低下があり手術治療を施行した.発生高位はL3/4が1例,L4/5が4例,発症から手術までの期間は平均2ヶ月(1週間~5ヶ月)であった.最終診断は椎間関節嚢腫4例,椎間板嚢腫1例であった.椎間関節嚢腫の4例は椎弓開窓術及び嚢腫摘出術,椎間板嚢腫の1例は椎間板ヘルニア及び嚢腫摘出術を施行した.術後は全例症状改善が認められたが,1例は3ヶ月後に症状再発したため,再手術(固定術)を施行した.椎間関節の変性変化が強く,関節水腫のある症例では内側椎間関節切除に加え,必要なら固定術を併用すべきと考えられた.

著者関連情報
© 2010 西日本整形・災害外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top