整形外科と災害外科
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上腕骨大結節骨折に対しPHILOSプレートを使用した治療経験
堤 康次郎安樂 喜久國武 克彦安中 正法束野 寛人田原 隼小山 雄二郎
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2012 年 61 巻 4 号 p. 719-723

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抄録

【はじめに】上腕骨大結節骨折の治療では腱板の機能を改善することが重要な目的である.インピンジメント障害を合併したり,粗鬆骨で固定法に苦慮し腱板の牽引により上方転位が生じる場合がある.今回Synthes社製PHILOSプレートを用い,治療を行ったので報告する.【対象】症例は8例(男4例,女4例),受傷時年齢は平均53歳(26~74歳),受傷から手術までの期間は平均8.8日(3~20日),経過観察期間は平均7ケ月(3~18ケ月)であった.手術は肩関節前外側アプローチで行い,PHILOSプレートの近位部のみを使用した.【結果】全例骨癒合が得られ,JOA score平均96.4点,インピンジメント障害を認めた症例はなく,合併症はなかった.【考察】PHILOSプレートによる内固定は,粗鬆骨に対しても強固な初期固定性が得られる.また腱板とプレートを縫着することで整復位の保持が可能であり,大結節骨折に対して有用な方法である.

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© 2012 西日本整形・災害外科学会
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