整形外科と災害外科
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TKA前後における腰椎・骨盤矢状面アライメントの変化について
志田 義輝石谷 栄一園田 康男小橋 芳浩
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2014 年 63 巻 3 号 p. 455-458

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抄録

TKA前後の腰椎・骨盤の矢状面アライメント変化について,2012年3月~2013年6月のTKA 79膝を対象に術前後の立位Sacral slope(SS)・Pervic tilt(PT)・Lumbar lordosis(LL)を調査した.膝伸展角度は術前-13.4度から術後-2.9度に有意に改善し屈曲角度は116.4度から116.0度で有意差はなかった.術後3週時点では,SSが術前より有意に増加しPTが有意に減少したがLLは有意差がなかった.一方,術後平均150.1日時点ではSS・PTは術前と有意差はなくLLは有意に増加していた.TKA後の膝伸展改善により重心の前方移動も予想されるが,術後早期は骨盤は前方シフトかつ前傾し腰椎の矢状面アライメント変化も起こっていなかった.また術後数ヶ月時点では骨盤の位置・傾斜は術前並みとなり腰椎の前弯は強まっており骨盤と腰椎全体のなだらかな重心代償が推察された.

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© 2014 西日本整形・災害外科学会
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