整形外科と災害外科
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加圧トレーニング後に挫滅症候群(Crush Syndrome)を合併した一例
塚本 祐也神保 幸太郎白濱 善彦田中 康嗣下河辺 久雄重留 広輔加藤田 倫宏吉田 史郎坂井 健介田中 憲治吉田 健治後藤 琢也
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2014 年 63 巻 3 号 p. 469-471

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抄録
近年,加圧トレーニングはトップアスリートだけでなく一般人にも広く普及している.加圧トレーニングによってCrush Syndromeおよび長期運動障害を合併した1例を経験したので報告する.症例は15歳男性.野球部の練習中に加圧トレーニングを約15分実施.直後より両上肢の鬱血と強い疼痛および運動障害をきたしたため当院救急外来受診.血液検査にて白血球14830/μl,CPK2095IU/l,ミオグロビン631ng/mlと上昇,入院にて輸液管理を行った.入院1日目にミオグロビンは2013ng/mlに上昇,入院2日目にCPKは32309IU/lと急激な上昇を認めCrush Syndromeと診断した.輸液負荷を継続することで入院4日目からCPKは改善傾向になり,8日目にはCPKおよびミオグロビンは正常範囲まで改善した.両肘関節運動障害は徐々に改善して,受傷4か月で完全伸展可能となった.
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© 2014 西日本整形・災害外科学会
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